「ね!・・・ヒツジの絵をかいて!」
「え?」
「ヒツジの絵をかいて・・・・」

このお話は、おそらく第二次世界大戦中のことだと思う。
アフリカの砂漠に不時着した、ある若いパイロットが出会った不思議な子どもの話。

夜明けに、彼は小さな声がするので目を覚ますと、目の前に、とても様子の変わった坊ちゃんが佇んでいた。

こんな砂漠の真ん中に!?なんで、こんな子供がひとりでいるんだろう?・・・
パイロットは、びっくり仰天!!

いろいろ質問してみるが、ぼっちゃんは答えずに、ただ繰り返す。

「ねぇ・・・ヒツジの絵をかいて・・・」

永遠の名作ともいえるこの童話は、こんなエピソードから始まっている。

もうかなり前のことだが、息子が、まだ3、4歳の時、箱根にあるサンテグチュペリ・星の王子様博物館に連れて行った。

そのとき、自分は童話なんて読まないけど、いつか息子が読むだろうと思って買っておいた。
それが、先日、偶然、本棚から出てきた。(今、自分が読むことになるとは。。。。(^^♪)

子供向けに書かれてあるが、実際に読んでみると、大人が忘れかけている人生の大事なエッセンスが、やさしい例えで書かれている。

IMG_1629「かんじんなことは、目に見えないんだよ。」

そう、繰り返す王子さまの言葉には、物事を目ではなくて心で見ている、純粋なハートがある。

やがて王子さまは、自分の星を旅立ってから、地球にやってくるまでに出会った、数々の星の住人たちとの体験から、もっと大事なことに気づいていく。


「ぼくは、あの時、なにも分からなかったんだ・・・どんなことがあっても、花から逃げたりしちゃいけなかったんだ。
ずるそうなふるまいはしているけど、根は、やさしいんだということを、くみ取らなきゃいけなかったんだ。だけど、ぼくは、あまり小さかったから、あの花を愛するってことが分からなかったんだ・・・」

王子さまは、地球の、たくさんの美しいバラの花たちを見て心が揺れても、最後には宇宙にたった一本しかない、自分の星に残してきた一輪のバラの花への愛に気づいていく。

「ぼくが、ぼくのバラの花を大切に思っているのは・・・あのバラの花との約束を守らなければいけないから・・・どんなことがあっても、あのバラの花をほっとくわけにはいかないんだ・・・」

そうして、故郷の小さな星に残してきた一輪のバラの花を守るため、帰る決心をする。

「愛」とは、本当のは、こういうものなのかもしれない。

宇宙は愛で満ちている。
それは、子どものような純粋で素直な愛で満ちているのかもしれない。。。

さて、ヒツジの絵でもかいてみるかなぁ。(^^♪